彼と彼女と彼の事情
病院からの帰り道、駅前の本屋に立ち寄った。



雑誌をパラパラ捲りながら、頭に浮かぶのは、郁人のことばかり。



ムラさんの話や郁人の真剣な表情を思い出し、なんとなく、心がザワザワと騒めき立てた。



と、「奈緒!」と声を掛けられ、振り向くと……



千尋が雑誌を抱えて立っていた。



「うわっ!ビックリした〜!」


「元気そうだね、奈緒!」


「うん」 



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