彼と彼女と彼の事情
「でも、よかったぁ……」


「……何が?」



カップを両手で支えながら、目の前の千尋を見る。



「奈緒が元気そうだから安心した!」



「…んっ?」 



「この前は、心配したもん。奈緒も何も言わないしさ。でも、今日の奈緒を見たらちょっと安心した!」



ニコッと微笑み、カップに手を添える千尋。 



確かに、この前は悲惨な顔をしていたはず……。 



あのときよりは、私の心も落ち着いてきたかな……。 



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