彼と彼女と彼の事情


「もしもーし」


「……あっ、郁人?私」


「よおっ!奈緒、久しぶり!元気か?」


「うん。ボチボチ……元気かな」


「なんだ、そりゃ!いつから関西人になったんだよ!」


いつもと変わらない郁人の明るい声。


隼人と別れたことを知っているはずなのに、昔と変わらない優しいその声に


懐かしさも加わり、私の胸は熱くなった。 




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