彼と彼女と彼の事情
「あれからさぁ、お兄さんも来て、彼女と3人で随分、話し込んでたよ」



「そうだったんですか…」


「あっ!でもね、彼女の件は、奈緒ちゃんが心配するようなことはないから!」


―――…?



訝しげに見つめる私に気付いたのか、すぐさまムラさんは言葉を繋いだ。 



「郁…、彼女とは、だいぶ前に別れてたらしいよ。でも、彼女がなかなか諦めてくれなくて、大変だったみたいだな」



チ〜ン♪



ちょうど、エレベーターのドアが開いた。 




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