彼と彼女と彼の事情
てっきり病室にいるものと思っていた郁人が、廊下からやってきたのには、意表を突かれた。



「あ、あの…何でもないよ!」


慌てる私に、郁人は、眩しい笑顔を向けた。



「待ってたよ!」



「………。」



その一言で、胸がキュンと高鳴った。



「来てくれてありがとうな!」



首を横に2〜3回振った。



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