彼と彼女と彼の事情
「アハハ…そんな、心配そうな顔すんなよ!冗談だよ、冗談!奈緒の思ってるようなことにはなってないから大丈夫!」



と、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。



――…本当に、大丈夫なの?  私がいないところで、二人の間に何かあったんじゃ…。



押し寄せる不安に、胸が押し潰されそうになる。 



「それと…今朝、兄貴が病院に来てさ、『奈緒のこと、よろしく頼む』って言われたよ。」



「…えっ?」



思わず、大きく目を見開いた。 




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