彼と彼女と彼の事情
照れ笑いを浮かべながら郁人は「はい、分かりました」と笑顔で答えた。
なんだか恥ずかしくて、私は俯いてしまった。
頬っぺたが熱を帯びたように熱い。
「それと、一週間後に外来での診察とリハビリの予約が入っています。
引き続き、リハビリ頑張って下さいね」
「はい。本当にありがとうございました」
「お大事に。それでは失礼します」
可愛らしい笑顔と仄かな香りを残して、看護師は部屋から出て行った。