彼と彼女と彼の事情
〈4〉変化
そんなある日の昼下がり。
仕事が休みだった私は、特にすることもなかったから、買い物がてら表参道まで愛車で出掛けようと車に乗り込んだ。
朝から晴れ渡る青空。
天気がいいだけで、気分も明るくなる。
お気に入りのCDを口ずさみながら快適なドライブを楽しんでいた。
――と、そのときだった。
思わぬアクシデントに遭遇した。
ちょうど、山手通りから明治通りへ抜ける十字路でのことだった。
直進していた私の元へ、左側から黒いワンボックスカーが接近してきて……
「きゃぁーっ」
物凄い爆音とともに、車体に衝撃が走った――。