ワイルドで行こう
窓からの青い夜明かりだけの部屋では、白い裸体と紺色ジャケットのコントラストは強く、ジャケットの開いている身ごろからは、琴子の白い乳房がつんと真っ白く際だつ妖艶な姿。そこに英児は頬を寄せて笑っている。
彼が胸元から離れ、上になっている琴子を見上げ頬に触れる。その手が指先がゆっくりと降りて琴子の唇に触れた。日々車を愛している指先が、ちょっと試すかのように琴子の唇を割り開こうとしている。いつもはキスで唇で舌先で、女の唇を奪う男。今夜は指先で琴子の唇を侵そうとする。そんな男の指先を、今夜は琴子がゆっくりと口に含んで甘噛みをする。まるでいつも奪われる仕返しをするかのように下になっている男を見下ろしながら噛んだ。男のどこか満足した悦びを滲ませる目元、それを見てさらに女は男の長くて太い煙草の匂いがする指をゆっくり吸って舐めた。
ふうっと英児がひと息。指先を愛撫される男のもう一つの手が、ゆっくりと琴子の乳房を包んで揉んだ。
「負けない女になってきたなあ……」
そう言いながら、英児の唇が今度は琴子の薄紅色の胸先を吸った。彼からの優しい反撃。切ない痺れに襲われ、琴子も堪らなく目をつむったが彼の指を離さなかった。
英児も負けない琴子が嬉しいのか、そのまま乳房を愛撫して離れなくなる。