ワイルドで行こう
『俺、土日も仕事なんで、夕方で良いかな』
週中、彼から『何時にお伺いします』という連絡があり『日曜日の夕方』という取り決めになった。
それを母に報告。
「日曜の夕方……なんだね。うん、わかった」
また母がなにやらニッコリ。もう、なんだか怖い。何を考えているか教えてくれないで、さっと事を進めてしまう。生前の父が『母さんに振り回される』と呆れていた『あれ』が絶対に復活していると思った。
そしてその予感も、またまた当たってしまう。
その日曜日。ゆっくり朝を寝過ごした琴子が昼前に起きると、母がキッチンで忙しそうにしていた。
「やっと起きた。琴子も手伝いなさい」
「なにしているの」
また、あの怪しいニッコリが向けられ、琴子はドキドキする。
「滝田さんにお夕食をご馳走しようと思って。この前のお礼ね」
なんですって!? 琴子は仰天する。
「なに、勝手なこと考えているのよーっ」
でも母はきょとんとして平然。
「だって、出かけるの大変だし……」
そして母がちょっと驚くことを言い出す。
「滝田さん、男三人兄弟の末っ子で三男坊なんだって。お母さんが高齢出産されたらしくて、お兄さん達とも年が離れているんだって。だから琴子と同じぐらいの頃に、お母さんを亡くしたらしくてね」
「そうなの……? いつの間にそんな話」
週中、彼から『何時にお伺いします』という連絡があり『日曜日の夕方』という取り決めになった。
それを母に報告。
「日曜の夕方……なんだね。うん、わかった」
また母がなにやらニッコリ。もう、なんだか怖い。何を考えているか教えてくれないで、さっと事を進めてしまう。生前の父が『母さんに振り回される』と呆れていた『あれ』が絶対に復活していると思った。
そしてその予感も、またまた当たってしまう。
その日曜日。ゆっくり朝を寝過ごした琴子が昼前に起きると、母がキッチンで忙しそうにしていた。
「やっと起きた。琴子も手伝いなさい」
「なにしているの」
また、あの怪しいニッコリが向けられ、琴子はドキドキする。
「滝田さんにお夕食をご馳走しようと思って。この前のお礼ね」
なんですって!? 琴子は仰天する。
「なに、勝手なこと考えているのよーっ」
でも母はきょとんとして平然。
「だって、出かけるの大変だし……」
そして母がちょっと驚くことを言い出す。
「滝田さん、男三人兄弟の末っ子で三男坊なんだって。お母さんが高齢出産されたらしくて、お兄さん達とも年が離れているんだって。だから琴子と同じぐらいの頃に、お母さんを亡くしたらしくてね」
「そうなの……? いつの間にそんな話」