ワイルドで行こう

 .リトルバード・アクセス《5b》




 やっと喜び一杯に伝えると、今度は雅彦おじさんの顔もみるみる間に満面の笑みになる。

「それほんとうか!」

 おじさんから先にガッツポーズをしてくれたので、小鳥も『ほんとうだよ!』と一緒に飛び跳ねた。

 だから好きなんだって。おじさんは、無関心ではあるけど、決して繋がりを断ち切っている訳ではない。ちゃんとしたところ持っている。

「きたか、ついにこの日が」

 そういうとおじさんは、デスクの傍らにあるノートパソコンを手元に引き寄せ、マウス片手にモニターのアイコンをカチカチとクリック。
 とあるフォルダをクリックしたところで、パッと画像が表示された。
 龍とワイルドベリーが描かれている。形状から見ても、小鳥も直ぐに判った。

 そして、今日。小鳥がなにを雅彦おじさんに伝えに来たか、もう言わなくても既に通じていることにも小鳥は喜びを隠せない。

「もしかして。これ……私のステッカー?」
「そうだ。まだ原案だけどな」

 おじさんも得意げに笑って小鳥を見た。

「おじさん、覚えていてくれたんだね。私もね、今日はおじさんにステッカーを頼もうと思って来たの」

 ――『小鳥が免許を取ったら、最初の車に貼る、小鳥だけの龍星轟ステッカーをデザインしてやるからな』。

 雅彦おじさんのことだから、何気なく言ってくれただけかもしれない。そう思ったから、小鳥からきちんと申し込もうと思っていた。
 でも。おじさんは忘れていなかった。そして待っていてくれた。



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