ワイルドで行こう
「え、嬉しいの? 英児さんの趣味じゃないでしょ」
「はあ? 趣味とかで喜ぶわけじゃねえよ。まるでその子そのものみたいなのが嬉しいんだよ。いかにも『琴子!』って感じじゃねえかよーー! これ俺大事にするからよ。スカイラインにずっと乗せておくな!」
俺の憧れ女子チョコレート。やっともらえた――と感激していたら、琴子もやっと笑ってくれている。
「ごめんね、私、的を外しちゃっていたみたいで」
「そんなことねえよ。よしタイヤとホイールを履かせたらよ、今夜はスカイラインでどこか行こうぜ」
「ほんと、ドライブに連れて行ってくれるの?」
「明日は休みなんだろ」
「うん」
どこがいいかと聞くと、琴子は迷わずに『長浜』と答える。俺達が恋人になった時の海岸線。