ワイルドで行こう
夜の海辺で、ハートの銀缶を開けてチョコレートを一粒。琴子がつまんで、英児に食べさせてくれる。
入り江には冬の月。波間に輝く光の道が、ふたりがいるスカイラインまでのびている。
普段は甘ったるくて『食えるかこんなもの』と思っている英児も、今夜は極上のキスの媚薬にしてしまう。
それからスカイラインの助手席に銀のハートが同乗するように。中にはライターを入れているから、車が跳ねるとカランと音が鳴る。
走り屋の旦那よりかっ飛ばす奥さんがいるから、侮ってはいけない『車屋さんのバレンタイン』。