ワイルドで行こう

 やっぱり。いまの英児さんがいちばん素敵。好き……。大好き、愛してる。
 言葉にできなくて。彼が抱きしめてくれている胸元から、琴子はそのままつま先をきゅっと立てて、彼の唇にキスをした。
「んっ、琴子……、なんだよ……」
 いつもは彼にそうされているように、相手の言葉をふさぐようなキスをする。彼の唇を小さな舌で割って隙間にすべらせて、琴子から絡めて熱を呼ぶ。
「こ、琴子」
 彼にその熱が伝わると、彼も一緒にやわらかくとろけてくれる。さらにきつく琴子を真上から抱きしめてくれる。
「が、我慢できねえだろ。このまま、」
 このまま? その言葉が聞こえた時にはもう、琴子は英児の逞しい腕に抱き上げられていた。
「このままおまえもいっしょにいくぞ」
 バスルームに一緒に行くと言い出した。でも、琴子ももう止まらない。
「うん……、いいよ」
 抱き上げてくれた彼の首に抱きついて、琴子は英児の額にキスをする。
 英児からも、目の前にある琴子のくちびるにそのままちゅっとキスをしてくれて、とっても嬉しそうな顔……。

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