ワイルドで行こう
そのくせ、少し強い甘噛みも忘れない。甘い痛みは、女を知り尽くした男じゃないと与えられない。
何人も愛せば上手いという訳じゃないと思う。たった一人でも、女の身体にとことん尽くしたことがある男だけが得る愛し方。果敢に、女の泣き所に挑んできた男の……。
大人だもの。私よりずっと大人の。全然ない訳じゃない。でも……これって、すごく手慣れている。
乳房の愛し方、しつこいくらいの優しい愛撫。すぐに女の身体を貫かず、乳房の脇も、腕の裏も、身体を返して口づけをつなげてくれる背中への愛撫も彼は忘れない。キスをされたことがない場所までくまなく愛される。皮膚が薄くて感じてしまいそうな柔らかいところを彼はよく知っている。とても気持が良いので、琴子はいちいち震え熱い息を零しては泣きそうになる。
英児の愛撫は女をそれだけで褒めている。ちゃんと肌を皮膚の柔らかみを『俺もお前の綺麗な優しい肌を楽しんでいる』と、その唇と舌先と指先で『褒めてくれる』。言葉もなしに、愛撫で彼は琴子の肌に伝えてくる。
――誰かを一生懸命に愛していたのね。
尽くしてくれる愛し方によがりながらも、琴子はかすかにそう思った。
でもそんなの当たり前で。そして今はこの人のなにもかもは『琴子のもの』。琴子が愛されて当然の。
そう思うと、琴子も彼が愛おしい。
「英児……」
見えないところで琴子を愛している彼を、手を伸ばして探した。
「なに。琴子」
寝そべってただのばしただけの手、その先に彼が戻ってくる。琴子の手を取って、琴子の顔を見下ろしてくれる。
されるまま横になっていた琴子は、そっと起きあがる。それを見て、彼も手を引っ張ってくれた。
そして起きあがった琴子は彼の胸へと抱きついた。
「琴子……?」
「なにがあっても、私、きっと貴方が好き。好きよ」
過去になにがあっても。誰を愛していても。そんなの今更――。
でも今度は私を愛して。
それが言えないなんて。
でもそれが聞こえたかのように、彼が琴子の顔を柔らかに包み込み、優しくキスをしてくれる。
「来いよ」
キスは優しいのに、リードは強引。裸の腰を抱き寄せられる。ぴたりと合わさる肌と肌、その間に……彼の、熱く硬くなった塊。
何人も愛せば上手いという訳じゃないと思う。たった一人でも、女の身体にとことん尽くしたことがある男だけが得る愛し方。果敢に、女の泣き所に挑んできた男の……。
大人だもの。私よりずっと大人の。全然ない訳じゃない。でも……これって、すごく手慣れている。
乳房の愛し方、しつこいくらいの優しい愛撫。すぐに女の身体を貫かず、乳房の脇も、腕の裏も、身体を返して口づけをつなげてくれる背中への愛撫も彼は忘れない。キスをされたことがない場所までくまなく愛される。皮膚が薄くて感じてしまいそうな柔らかいところを彼はよく知っている。とても気持が良いので、琴子はいちいち震え熱い息を零しては泣きそうになる。
英児の愛撫は女をそれだけで褒めている。ちゃんと肌を皮膚の柔らかみを『俺もお前の綺麗な優しい肌を楽しんでいる』と、その唇と舌先と指先で『褒めてくれる』。言葉もなしに、愛撫で彼は琴子の肌に伝えてくる。
――誰かを一生懸命に愛していたのね。
尽くしてくれる愛し方によがりながらも、琴子はかすかにそう思った。
でもそんなの当たり前で。そして今はこの人のなにもかもは『琴子のもの』。琴子が愛されて当然の。
そう思うと、琴子も彼が愛おしい。
「英児……」
見えないところで琴子を愛している彼を、手を伸ばして探した。
「なに。琴子」
寝そべってただのばしただけの手、その先に彼が戻ってくる。琴子の手を取って、琴子の顔を見下ろしてくれる。
されるまま横になっていた琴子は、そっと起きあがる。それを見て、彼も手を引っ張ってくれた。
そして起きあがった琴子は彼の胸へと抱きついた。
「琴子……?」
「なにがあっても、私、きっと貴方が好き。好きよ」
過去になにがあっても。誰を愛していても。そんなの今更――。
でも今度は私を愛して。
それが言えないなんて。
でもそれが聞こえたかのように、彼が琴子の顔を柔らかに包み込み、優しくキスをしてくれる。
「来いよ」
キスは優しいのに、リードは強引。裸の腰を抱き寄せられる。ぴたりと合わさる肌と肌、その間に……彼の、熱く硬くなった塊。