Boys Kissシリーズ・金持ちとのキス
金持ちとのキス
とあるホテルの最上階の一室に呼び出された俺は、目の前の男を真っ直ぐに見た。

「―んで、話しって何?」

目の前にいるのは、俺と同じ高校に通うクラスメート。

ウチの学校はそこそこ良い所のお坊っちゃんが集まることで有名だ。

俺の家は古くて大きいだけで、金や権力には固執しない。

そのためか、口と態度が悪いことで有名だった。

悪気は全くないのだが、思ったことをすぐに口に出してしまう。

なので言われた相手が傷つくのも結構あることで、そういう時は素直に謝るようにしつけられた。

―が、何せ家族・親戚のほとんどが同じタイプな為、俺もなかなか態度も口の悪さが治らなかった。

けれど目の前の男は、俺と同じぐらい態度も口もデカイ。

…まあ種類は別だが。

「取り引きをしよう」

「はあ?」

ヤツは懐から分厚い封筒を取り出し、目の前のテーブルに投げつけた。
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