本当の幸せ
『桜、購買にいくって
言ってたじゃない?』
『うん?』
『それで桜と
別れてすぐ、たまたま
一人で歩いてる
慎司さんを見つけた。
学校にいることに
一瞬目を疑ったけど
あの人なら
やりかねないでしょ?』
確かに…私も一瞬
自分の目を疑った。
『それで、しばらく見てたら
慎司さんはポケットから
ナイフを取り出したの。
一気に血の気がひいて、
同時にあたし、チャンスだ!
って思ったのよ。』
『チャンス?』
なんのチャンスだろ?
すると沙奈は頷いて
また、喋りだした。