本当の幸せ
桜は何がなんだか
分かっていないようで、
まぁそりゃそうだよな。
結城はいまだに
無表情のまま俺を見ていた。
3人に気まずい
沈黙が流れて俺は俯いた。
『……ふざけんなよ。』
『……え。』
ここにきて初めて
口を開いた結城。
顔をあげると
明らかにキレている。
『ゆ……』
声をかけようとした瞬間
結城は俺に掴みかかってきた。
『俺が!いままで
………どんな、気持ちで……。』
最後の方は消えそうな程
弱々しくて、
目の前にいるこいつに
こんな顔をさせているのは
紛れもなく俺のせいで、
黙っていたことへの
後悔が押し寄せた。