本当の幸せ







『ちょ、どうしたのっ
ふたりとも!』




結城が俺に
掴みかかったことで
殴りあいでも
起きると思ったのか
桜は結城の腕にしがみついた。




『なに?どうしたの?
……やめなよっ。』





あの男のせいで
暴力に対して過剰に
反応する桜の目には
涙がたまっていた。





『…………くそっ。』





そう言って結城は
俺の制服から手を離し
屋上を出ていった。










俺には呼び止めることは
できなかった。














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