本当の幸せ
『な、んだったの……?』
あんなに怒った結城は
初めて見た……。
結局話も聞けなかったし、
っていうか直人は
なんで屋上にきたの?
『はぁ…わかんなぃ。』
こういう時は誰かに相談。
ま、誰かって言っても
相談できる相手なんて
一人しかいないけど。
そしてケータイを開き
電話をかけた。
『もしもし!桜?』
ワンコールで
電話に出た沙奈。
『あー沙奈?』
『いまどこよ!
授業始まるわよ?』
予鈴がなっても
教室に戻ってこない
私を心配してか
沙奈はちょっと怒り口調。
『うん………屋上、なんだけど。』
『……………はぁ。
すぐ行くわ。』
何も言わなくても
私の異変に気づいた沙奈は
その後すぐに屋上にきてくれた。