本当の幸せ
『ねぇ、桜?』
『んー?』
『あんた直人のこと
好きなんでしょ?』
腰まである長い髪を
指でクルクルして遊んでいると
沙奈にいきなり
とんでもないことを
聞かれた。
『え!あ、…う、うん。
でも、前も言ったけど
直人は私を妹みたいにしか
思ってないんだって。』
自分で言ってて
悲しくなるよ…。
『……ふーん。』
『ふーんってひどい!
結構落ちてるのに!』
そんな私に沙奈は
ケラケラ笑いながら、
『ごめん、ごめん。
でもあんた直人の
どこが好きなの?』