退治屋



女の過去が全部流れ込んで来た後

ずっと瞑っていた目を開けると
光と女は消え、依頼人のケンと俺が佇んでいた

ケンは戸惑っているのか、固まっている


紫「はぁ…」


あの女を消滅したと同時に流れて来た女の記憶は、想像以上のものだった

そして考えたのは、悪かったのは誰かということ


暴力をし続けた夫なのか

逃げ出した女なのか

殺した夫なのか

怨霊と化した女なのか

ここを通る誰かなのか


俺にはわからねぇ

みんな悪くないと思うし、悪いとも思う

だけど、残った事実は最悪だと思った


< 42 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop