会議室のナイショの関係
だけど、ある日――…


先輩と一緒に会議に出ていた私。

その日の会議には、まーくんも参加していた。

そして、会議も終わり、みんなは会議室を出て行くけど、私はそのまま残り、一人で後片付けをしていた。

コンコン、と会議室のドアがノックされ、そして、会議室のドアが開く音がしたので私は顔を上げる。


「あっ……。お疲れ様です」


会議室に入って来たのは、社長のまーくん。

まーくんが戻って来た事で、私の心臓は早くなる。

それは、“社長”が目の前に居る緊張と、“まーくん”が目の前に居るドキドキ。

いつもまーくんの隣に居る秘書の倉木さんが今はいない。

という事は、今、会議室にまーくんと私の二人きり。


「ここ使いますか?すぐに片付けます」


どうしてまーくんが戻って来たのかわからない私は、とりあえず急いで片付ける。


「いや、そういう訳じゃない。だから、そんなに慌てなくてもいいよ」


まーくんは優しい口調で声を掛けてくれる。


「あの、それじゃ……、忘れ物ですか?」


でも、後片付けをしていたけど、忘れ物らしき物は見当たらなかった。


「うーん……。忘れ物でもないんだけどね」


優しく微笑むまーくんに私の顔は一気に赤くなる。


じゃぁ、何だろう?


と思いながら、


「す、すぐ片付けますね」


まーくんが何で戻って来たのかはわからないけど、とりあえず私は急いで後片付けをする。

まーくんに私の顔が赤くなっている事が気付かれないように、顔を逸らしながら。

まーくんと目を合わせないように、俯きながら、私は急いで後片付けの手を進めていた。


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