会議室のナイショの関係
黙ったまま、まーくんを見つめていた私に


「紗和、大きくなったな」


まーくんはそう言って、私の頬に触れていた手で頭を撫でる。


「……っ!!そ、そりゃそうでしょ!だって、最後に会ったのって、私が小6の時だよ!」


やっぱり、まーくんから見たら、何年経ったとしても、私が大人と言われる年齢になったとしても、私は子供なんだ。


その事に、少し寂しいと思いながらも、子供扱いされた事に少しムッとする。

そんな私を見て、まーくんは楽しそうに笑っている。


「あっ!っていうか、二人でいる所を見られるとまずいんじゃ……」


社長と新入社員の女が会議室に二人きり。

それに、親しげに会話をしている。

その事に気付いた私はおろおろし出す。


まーくんは、男女共に社員から人気があるし、一目置かれている。

女性社員から人気な理由の一つは、まーくんの見た目がいいから。

だけど、見た目だけじゃなく仕事もでき、社員の事をちゃんと考えているし、すごく優しい。

だから、まーくんは女性社員からすごく人気だ。


まーくんの最初の配属先は営業課だったらしい。

そこで仕事が出来ると認められ、営業課長にまでなった。

だけど、しばらくして、まーくんのお父さんである当時の社長が倒れた。


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