会議室のナイショの関係
そして、私の両肩を掴み


「紗和、俺と付き合ってくれますか?」


まーくんは真剣な目で私を見つめる。

まーくんの気持ちが嬉しくて、“うん”と言おうとしたのだけど……

まーくんはお兄ちゃんの友達以前に、社長。

すごく忙しいだろうし、私が気持ちを伝えるのは迷惑。

まーくんに子供扱いされていたし、相手にされていないと思っていたのもあったけど、私が気持ちを伝える事は、迷惑なんじゃないだろうか。

自分の気持ちに気付いた時、そう思った。

だから、まーくんに気持ちを伝えるつもりはなかった。


まーくんの気持ちが嬉しくて、さっきは自分の気持ちをつい正直に伝えちゃった。

だけど、

“私でいいのかな?”

“私が一緒に居て、まーくんの邪魔にならないのかな?”

その考えが、私の頭の中を過る。


「まーくん、私でいいの?」

「寂しい思いはさせてしまうと思う。だけど、俺は紗和と居たい。俺のワガママだけど……。紗和がいい。紗和に、側に居て欲しいんだ」

「……本当に、いいの?」

「だから、紗和がいいんだ」


しつこく聞く私に、もう一度、まーくんは力強く言う。

まーくんの言葉は、素直に嬉しかった。

自分の気持ちに気付いたのは最近だけど、好きな人にそんな風に思って貰えるなんて……

私、すごく幸せなんだと思う。


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