会議室のナイショの関係
私はまーくんにコーヒーを渡しながら


「それは昔の話でしょ?プライベートな時間ならまだしも、今は会社。だから、そんな風に呼ばないで下さい」

「はいはい、ごめんな」


キッと睨みながら言う私の態度なんて気にせず、まーくんは大きな手の平で私の頭を撫でる。

そんなまーくんの行動に私は顔が赤くなる。

顔を赤くしている私に気付いているのか、気付いていないのか……

まーくんは、にこにこしながらコーヒーを飲んでいる。


「さぁちゃんの淹れてくれたコーヒーは美味しいな」


なんて言いながら、まーくんは笑顔のまま私を見ている。

高校生の時のまーくんと比べると、顔はやっぱり大人っぽく、凛々しくなっているけど、笑った目元は昔のままで、少し幼く見える。

昔と変わらない笑顔に、私はドキッとした。


「また“さぁちゃん”って呼んだー!」


ドキドキを隠すように私はムッとした表情でまーくんを見る。


「そう怒るなよ」


そう言って、笑いながら私の頭をまた撫でる。

すると、給湯室の外から「コホン」と咳払いが聞こえた。


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