会議室のナイショの関係
「ってかさぁ……。いい加減戻らないと、いくらなんでも怒られるわな。紗和もだけど、俺も……。あぁー!離れたくねぇー!」


まーくんは私を抱きしめる腕の力を強めながら言う。


「まーくん、まーくん!“俺も”って?」


私が怒られるならわかるけど、社長であるまーくんが誰に怒られるんだろう?


「あぁ、英治にな」


そう言ったまーくんは苦笑いになる。

その時、


コンコン――


「社長、そろそろ……」


会議室のドアの外から倉木さんの声が。


「はぁ、やっぱり……」


まーくんはため息を吐き


「紗和、先に出な。あの子が会議室を出てから時間経ってるし」


時計を見ると香澄が出て行ってから、10分以上は経っていた。


「うん、わかった」

「じゃ、仕事頑張れよ」


そう言って、まーくんはまた私の頭を撫でる。

ずっと子供扱いされているみたいで嫌だったけど、今ではこうやってまーくんに触れられる事が嬉しい。


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