会議室のナイショの関係
「英治の事、気になんのか?」


いや、だから私が気になっているんじゃないのだけど……


どう答えようか悩んでいると、グイッと腕を引っ張られ、気が付けば、私の背中にソファの生地が触れていた。


えっと……

私、押し倒されているの?


今の状況に頭がついていかない。


「俺じゃなく、英治の事が気になんのか?」


まーくんは、少し怒ったような目付きで私を見下ろす。

そして、ソファに押し付けられ、掴まれている両腕。

まーくんは私の両腕をぎゅっと力強く掴む。


まーくん、怒ってる?


「ちがっ……」

「じゃぁ、何で英治の事、聞いてくんだよ」

「いや、だから……」


私はどう答えるか考える。


まーくんはきっと……、いや、確実に勘違いをしている。

私の言い方も悪かったのかもしれないけど、“私が”倉木さんの事を気になっている、と。

私が好きなのは、まーくんなのに。

それなのに、他の男の人の事が気になるなんて、絶対にない。

誤解を解く為には、香澄の事を言うのがいいんだろうけど。

でも、勝手には……


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