会議室のナイショの関係
「だから、何?」


言葉に詰まる私を、まーくんは急かす。

考えた結果……


「香澄がね、“倉木さんに彼女いるのかな?”って言っていたから……。だから、まーくんなら知っているかなー?って思って……」


私は話す事を選んだ。


香澄、ごめん!


そう心の中で謝りながら。

だって、まーくんは誤解をしている。

まーくんとせっかく付き合えたのに、喧嘩はしたくない。


私の言葉を聞いたまーくんは、私の腕から手を離し、ソファに手をつく。

まぁ、私が下にいて、まーくんに見下ろされているこの状況は変わらないのだけど……


「紗和。“香澄”って?」


“誰だ?”と考えるまーくん。


「ほら、いつも会議の時に一緒にお茶出しをしている子」

「あぁ、あの子な。……そっか」


香澄が誰なのかわかったまーくんの表情は、やっと柔らかくなる。

そして、


「ごめんな……」


そっと私の頭を撫でる。


「俺……、紗和の口から他の男の名前を聞くだけで、ダメみたいだ……」


まーくんは苦笑いになる。


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