会議室のナイショの関係
「えっ?あっ、はい……」


でも、私が企画課に戻ると、香澄と福本さんは二人きり。

この二人を残して戻っていいのだろうか。


「紗和、大丈夫。先に戻っていいよ」


香澄を見ると、にこっと笑顔を見せる。


「……うん。わかった」


私は課長の分と自分の分のコーヒーを淹れ、給湯室を出て行く。


香澄は言いたい事は、はっきりと言うタイプだ。

福本さんもいつもと感じが違った。

あの二人を残して出てきて、本当に大丈夫だったのだろうか。

言い合いにならなきゃ、いいのだけど……


企画課に戻り、課長にコーヒーを出した後も、二人の事が気になって仕方がなかった。





それから数日後――…


今、私は福本さんと給湯室に居る。

仕事にキリがついたから、福本さんと給湯室でコーヒーを飲み、一息をついていた。


「倉木さんに告白をする」

そう言った香澄に対して

「やめときな」

と言った、福本さん。

あの日、戻って来た時、香澄はすごく苛立っていたから詳しくは聞かなかったけど。

私が企画課に戻った後も、福本さんは香澄を苛立たせる事を言ったらしい。


つい最近、福本さんから聞いたのだけど、福本さんは香澄の事が好きなんだそうだ。

あの日、香澄が倉木さんの事を好きだという事を知り、その事にヤキモチを焼き、福本さんも苛立っていたらしい。

それで、福本さんも香澄に突っ掛かるような言い方をしたみたいだ。


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