会議室のナイショの関係
そして、今。

冷静になった福本さんは、香澄を怒らせた事を後悔している。


「大丈夫ですって」


給湯室内にある椅子に座り、テーブルに肘をつき、頭を抱えている福本さんに向かって、コーヒーを淹れながら優しく声を掛ける。


「はぁ……。でも、どうしよう……」


弱々しく呟く福本さん。


「そんなに落ち込まないで下さいよ」


そう声を掛けながら、福本さんの顔を覗き込む。

だけど、福本さんは頭を抱えたまま。


そんなに落ち込むくらいなら、言わなきゃよかったのに。


そう思うが、先輩にそんな事は言えない。

確かに、あの日は香澄も苛立っていたし、怒っていたけど。

でも、最近、そうでもないんだよね……

香澄を見ていると、福本さんの事を気にする素振りを見せているが、福本さんに対して怒っている感じではない。


「だから、大丈夫ですって!香澄、そんな事では怒りませんから」


そう言いながら、コーヒーを福本さんの前に置く。


「ありがとう」


福本さんはやっと顔を上げる。

だけど、福本さんは、はっとして慌てて席を立つ。


「あっ、社長!!お疲れ様です」


そんな福本さんの言葉に、私は給湯室の入口をパッと見る。

すると、まーくんは給湯室の入口の壁にもたれ、私達の事をじっと見ていた。


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