会議室のナイショの関係
「もう一回言おうか?」


まーくんは優しく微笑みながら私を見つめている。


「えっ、いや、その……」


まーくんの言葉は、すごく嬉しい言葉なのだけど。

不意打ち過ぎて、頭がついていかない。


「俺は……」


まーくんが口を開いた、その時……


「……社長」


咳払いとともに声が聞こえた瞬間、私はビクッとなる。


今のこの状況……

非常にヤバイ。


恐る恐る声の主を見ようと、まーくんの身体からチラッと顔を出す。

すると、給湯室の入口には、呆れた表情の倉木さんが。

そこに居たのが倉木さんで、私はホッとした。


「邪魔するなよ」


まーくんは私を抱きしめたまま顔だけ倉木さんの方へ向ける。


「はぁ……。社長、先程言った事、覚えていますよね?」


わざとらしいくらい大きくため息を吐きながら、倉木さんは私達をというか、まーくんに冷ややかな視線を向ける。


「覚えてるよ。はぁ……、はいはい、わかったよ」


まーくんは、少し拗ねた様に言いながら私から離れる。

それを少し寂しく感じる私って……

さっきまで、“会社だ”だの“バレたらどうするの”だの言っていたのに。

まーくんが離れた瞬間、“寂しい”と感じる私は勝手だ。


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