会議室のナイショの関係
「いただきます」


私はドキドキしながらまーくんを見る。

初めて一人で作った料理。

しかも、大好きな人に食べて貰う。

やっぱり“美味しい”って言って欲しい。


「……紗和。そんなに見つめられたら、食べられないよ」


ははっと笑いながらまーくんは言う。


「ご、ごめん」


私は慌ててまーくんから視線を逸らす。

だけど、やっぱり気になる私はチラチラまーくんを見る。


「紗和、美味しいよ」


そんな私を見て、まーくんはククッと笑いながらそう言ってくれた。


「ほんと?」

「あぁ、本当」

「よかったー」


まーくんの言葉に、私はホッとし笑顔になる。

そして、私も食べ始めた。

思った以上にちゃんと出来ていて、改めてホッとした。


たわいのない話をしながらご飯を食べていると、


「なぁ、紗和」

「ん?何?」

「ずっと考えていた事なんだけどさ……」


まーくんは何故だか緊張した表情をしている。

そんなまーくんを見ていると、私までドキドキしてくる。

何を言われるんだろう……?

って。


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