会議室のナイショの関係
車で出掛けるのかと思っていたけど


「今日、紗和の家でお酒を飲むかもしれないから」


まーくんはそう言い、電車で出掛けた。


私のお父さんがお酒を好きな事は、まーくんも知っている。

だから、もし、お父さんがお酒を勧めてきても、断らなくていいようにと車で出掛けるのをやめたみたい。


電車に揺られ、街の中心地の駅に着く。

そして、その近くにあるショッピングビルで、お昼ご飯を食べる事にする。

今日はクリスマス、そして土曜日。

それにお昼という事もあり、ショッピングビル内は、友達同士、カップル、そして家族連れと、沢山の人で賑わっていた。


まーくんと二人きりでいる所を会社の人達に見られ、関係がバレたら……


いつもそう思って、まーくんと仕事終わりに外でご飯を食べる事があっても、私は周りに注意を払っていた。

だけど、今日はクリスマス。

“少しでもいいから、会えたらいいな”

とは思っていたけど、こうして一日一緒に居られるとは思っていなかった。

だから、こうして長い時間、まーくんと過ごせる事が嬉しい。

それに、まーくんには言わないけど、やっぱり普通のデートがしたい気持ちはある。

こうして一緒に出掛け、クリスマスを満喫している事がすごく嬉しいんだ。

だから、私は浮かれていた。

いつも、周りに注意を払い、外でまーくんにくっつく事はない。

家を出るまでは、まーくんと外でデートする事に躊躇っていた私だけど、浮かれていた私は周りの事を忘れ、すごくはしゃいでいたし、普通にデートを楽しんでいた。


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