会議室のナイショの関係
「ただいまー。よっ!真人、久しぶり」


まーくんを見て、お兄ちゃんはにかっと笑い、右手を上げる。


「あぁ、久しぶり」


家に来てから表情が強張り気味だったまーくんだけど、お兄ちゃんを見て笑顔を見せる。

だけど、お兄ちゃんの後ろから入って来たお父さんを見て、まーくんはパッと立ち上がり


「お久しぶりです。お邪魔しています」


そして、また、緊張した表情で挨拶をする。

そんな状況に、私も緊張する。


「あぁ……」


もごもごと口ごもるお父さん。

そんなお父さんを見て、お母さんはまたため息を吐き


「お父さん、ケーキは?」


無言で差し出されたケーキを受け取り


「それじゃぁ、上着を部屋に置いてきて。私、お腹空いちゃったから、早く食べましょうよ」


と、テキパキと指示を出す。


「紗和、ちょっと手伝ってちょうだい。真人くんごめんね。紗和、借りるわね」


お母さんはそう言うと、キッチンへ戻って行く。


「まーくん、一人にしちゃってごめんね?」

「いや。和也も居るから、気にしなくていいよ」


まーくんは優しく笑って私を見る。


「じゃぁ、手伝ってくるね」


そう言って、私もキッチンへ行く。


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