会議室のナイショの関係
「とにかく、そんな気にしなくても大丈夫よ!」


そう言うと、お母さんは


「はい、紗和。これ、持って行ってちょうだい」


次々と綺麗に盛り付けられた料理を渡してくる。

お母さんから渡された料理をテーブルに並べていると


「そろそろ、みんな呼んで来て」

「うん、わかった」


お母さんに言われ、私はリビングへ。


「ご飯出来たよ……って、お父さんは?」


リビングにはまーくんとお兄ちゃんしかいなかった。


「まだ戻って来てないな」


お兄ちゃんの言葉に、また少し落ち込む。

やっぱりお父さんは反対しているんじゃないかって。

私の好きな人の事を……

まーくんの事を、家族みんなに認めて貰いたい。

そう思うのに。


お兄ちゃんは、落ち込む私の頭をポンポンと優しく撫でる。


「お前がそんな顔してたら、真人が余計緊張するだろう?」


そして、お兄ちゃんはにこっと笑い


「大丈夫だよ、心配するな。とりあえず、俺が呼んでくるから」


そう言い、リビングを出て行く。


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