給湯室の恋の罠
恋の罠

 最悪な先輩

「ねぇ。倉木さんって、彼女いるのかな?」


仕事終わり、賑やかな居酒屋。

生ビールを片手に聞く私


秋山 香澄(あきやま かすみ)

社会人1年目の22歳。


目の前で私の言葉に驚いているのは

花本 紗和(はなもと さわ)

私の配属されている部署と同じ企画課で働く同期。

紗和は、最近、うちの会社の社長と付き合う事になった。

同じ会社の、しかも社長と付き合うって事で、その事を秘密にしたり、あまり会えなかったり。

だから、「好きな人と付き合えて嬉しいけど、ちょっと寂しい」と漏らしている。


そして、“倉木さん”というのは、社長の秘書をしている。

うちの会社の中でも、かなりのイケメン。

女性社員からは社長の次に人気だ。

イケメンが好きな私は、倉木さんの事はカッコイイとは思っていた。

だけど、真面目で頭が固そうっていう私が倉木さんに対して勝手に持っているイメージがあり

“取っ付きにくそう”

そう思っていたのだけど。


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