給湯室の恋の罠
自分の部署に戻る前に、コーヒーを淹れようと給湯室に寄る。

すると、そこには


「どうだった?」


椅子に座ってコーヒーを飲んでいる福本さんが。

私に向けられている視線が、冷たいというか、すごく悲しそうというか……

だけど、久しぶりに声を掛けられた私は、すごく嬉しく思ってしまう。


「さっき倉木さんに告白したんだろ?」


黙っていた私に福本さんは冷たく言う。


「み、見ていたんですか!?」

「いや、見ていたわけではない。倉木さんの隣で顔を赤くしていた香澄ちゃんを見かけただけ」


やっぱり私に対する態度は素っ気ない。


久しぶりに話し掛けてもらえたのは嬉しかったけど、なんで私だけ、こんな態度取られなきゃいけないの?


そう思うと、やっぱり悲しくなってくる。


「“ありがとう”って言われました」

「えっ!?じゃぁ、付き合うの?」


福本さんの表情が強張っていく。


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