給湯室の恋の罠
「じゃぁ、家に来る?」

「えっ?」


えっと、それって……

そういう事!?


私はかぁっと顔が赤くなる。


「今までさ、ずっと我慢していたから……。もう我慢出来ない。ダメかな?」


福本さんは、真剣な顔をして言う。


「え、えっと……」


福本さん、こんな事言う人だったっけ?


私が戸惑っていると


「香澄ちゃんが嫌なら無理強いはしないよ」


さっきの表情とは違い、今度は優しく微笑んで私が安心出来るようにしてくれる。


「嫌ってわけじゃないんですけど……」

「けど?」

「恥ずかしい……」


私は顔を真っ赤にしながら俯く。


「そっか。でも……、抱きしめるくらいは許してね」


福本さんは私の顔を覗き込み、笑顔を見せる。


「はい……」


その笑顔にドキッとし、ますます赤くなりながら返事をする。


福本さんの家に向かう途中


「ねぇ、福本さん」

「ん?」

「来年のクリスマスも一緒に過ごしましょうね?」

「来年だけ?これからも、ずっと一緒に過ごそうな」


そう言って、優しく見つめる福本さん。

私はその言葉がすごく嬉しかった。


“調子いい”とか“軽い”って思われたくなくて、気持ちを言えずにいた。

だけど、正直に気持ちを伝えたから、こうやって今、一緒に居られる。

これからは、素直にちゃんと気持ちを伝えるからね。



【End】


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