愛を餌に罪は育つ
Prologue
手袋にマフラー、そしてコートにブーツ。
どれだけ暖かい格好をしていても口を開けば息は白くなり空中を舞い、それを見ては寒さが増すような感覚に襲われる。
見上げれば黒い空の中にキラキラと光を放つ星たち。
そして、珍しくふわふわした粉のような様々な大きさの雪が舞い落ちている。
昨日この光景を見る事ができたなら、恋人たちはなんとも言えない幸せを感じられずにはいられなかったに違いない。
けれど残念ながら今日は12月25日。
24日は恋人と、25日は家族と、とわけてクリスマスを楽しむ人は多いだろう。
「ただいま」
家に帰りつき鍵を開け扉を開けたが、電気は点いておらず気持ちが悪いほど静まり返っていた。
手探りで廊下の電気を点けリビングへといつもの軽い足取りで足を進めた。
年甲斐もなく、家族が私を驚かそうと息を潜めているのかもしれない。
いつも通りにリビングの扉を開けようとしたが、今からの事を考えると顔がにやけてしまった。
でも予想とは反して部屋の中からは物音一つなく、拍子抜けしてしまった。
左手を伸ばし点け慣れたリビングの電気をつけると、よく分からない光景が広がっていた。
部屋中赤いペイントが施され、ところどころ黒く変色している。
どれだけ暖かい格好をしていても口を開けば息は白くなり空中を舞い、それを見ては寒さが増すような感覚に襲われる。
見上げれば黒い空の中にキラキラと光を放つ星たち。
そして、珍しくふわふわした粉のような様々な大きさの雪が舞い落ちている。
昨日この光景を見る事ができたなら、恋人たちはなんとも言えない幸せを感じられずにはいられなかったに違いない。
けれど残念ながら今日は12月25日。
24日は恋人と、25日は家族と、とわけてクリスマスを楽しむ人は多いだろう。
「ただいま」
家に帰りつき鍵を開け扉を開けたが、電気は点いておらず気持ちが悪いほど静まり返っていた。
手探りで廊下の電気を点けリビングへといつもの軽い足取りで足を進めた。
年甲斐もなく、家族が私を驚かそうと息を潜めているのかもしれない。
いつも通りにリビングの扉を開けようとしたが、今からの事を考えると顔がにやけてしまった。
でも予想とは反して部屋の中からは物音一つなく、拍子抜けしてしまった。
左手を伸ばし点け慣れたリビングの電気をつけると、よく分からない光景が広がっていた。
部屋中赤いペイントが施され、ところどころ黒く変色している。
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