愛を餌に罪は育つ
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飲み会から数日が経った。


土曜日の昼過ぎということもあり、どこも人が沢山いて騒がしい。


普通は花を買うべきなんだろうけど、花をあげても喜んでもらえそうに無いためお菓子を持って私は梓と二人で病院に向かっている。


先日、加藤さんが駅の階段を踏み外してしまい、一週間入院する事になりお見舞いに行こうという話になった。



「加藤君もドジだよね、階段踏み外しちゃうなんて」

「そんなにお酒飲んでたのかな?でも頭とか首を打たなくて良かったよね」

「お酒強いはずなんだけど、飲みすぎてたのかもね」



最終電車が来て走って階段を駆け下りていた時に踏み外してしまったと聞いている。


お酒も飲んでたなら、足が絡まってしまったのかもしれない。



「ここじゃない?いい病院に入院してるね」

「本当、綺麗な病院だね」

「たかが足の骨折なのに贅沢」

「たかがって――可哀想だよ」



悪いと思っていない梓は笑いながら病院の中へと入っていってしまった。


全くもう――梓ってば。


私は呆れながらも逸れてしまわない様梓の後ろについて歩いた。





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