愛を餌に罪は育つ
次の日会社で仕事をしていると、携帯が震えそこには笠原 紅さんと表示されていた。


副社長室を気にしながらも、私は通話ボタンを押し電話に出た。



「もしもし」

「警視庁捜査一課の笠原です。今お電話大丈夫ですか?」

「少しだけなら平気です」

「昨日お預かりしたUSBメモリの日記の件でお話ししたい事があるんですが、近いうちにまたお会いできますか?」

「ちょっとまって下さい」



いったん携帯を机の上に置き、鞄に入れている手帳を取り出した。


急いでページを捲り予定を確認する。



「すみません、お待たせしました。明後日なら大丈夫そうなんですけど、それでもいいですか?」

「はい、大丈夫です。それでは明後日こちらへお越し頂けますか?」

「分かりました。昨日と同じ時間にお伺いします」

「こちらにいらっしゃる事は誰にもお話されないようお願いします」

「わ、分かりました」



電話を切り手帳に予定を書き込もうとしたが、書き込まずに手帳を閉じた。


誰にも言っちゃいけないって言ってたし、万が一手帳を誰かに見られたら困るよね。






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