愛を餌に罪は育つ
午前中は簡単に脳の検査をしてもらった。


MRIやCTで画像検査をしてもらったがやはり異常は見つからなかった。


一般常識のテストのようなものも受けたが、こちらも問題なかった。


先生曰く、記憶を失ったのは身体的な事ではなく精神的な事らしい。


検査が終わりお昼ご飯を食べた後、特にすることもなくベッドに腰掛けただ座っていた。


私いつも何してたんだろう――。


そんなことを考えているとドアがノックされる音が聞こえ、その音に対して返事をするとドアが静かに開いた。


先生か看護師かと思いきや、スーツ姿の人が姿を現し少し驚いた。



「あの――失礼ですけどどちら様ですか?」

『私は警察庁捜査一課の山田と言うもんですが、少し宜しいですかな?』

「同じく捜査一課の笠原です」

「――刑事、さん?」



南さんと笠原さんは丁寧に挨拶をしてくれ、私は不思議に思いながらも二人に頭を下げた。






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