愛を餌に罪は育つ
気分の沈みかけている私を励ましフォローしようとした翔太君が慌てて口を開いた。
『しょうがないよ!!美咲ちゃんは記――』
「翔太君はこんなところで何してたの?」
恐らく私が記憶喪失であろう事を言おうとした翔太君の言葉を遮った。
自分の秘書が記憶喪失で自分の事すら忘れてる何て――そんな事知ったらきっと私の事を不振に思う。
やっと少し距離が縮まったと思ったのに、そんな事でまた距離ができるなんて嫌――。
『俺はこいつの散歩中』
訴えかけるように翔太君の顔を見ていたからか、翔太君は私の話しにのってくれた。
『ポチって言うんだ。可愛いだろ?』
副社長を気にしながらも窓の外にはリードに繋がれた毛玉の小動物がちょこんと座っていた。
確かにポチやタマっていう名前は一般的って言うほど一般的かもしれないけど、今の時代そんな名前を付ける飼い主はほぼいないだろう。
「可愛いけど――翔太君って変わってるね」
『アハハ、朝陽と家に遊びに来た時も同じような事言われた』
窓から離れ、少し離れた位置から翔太君の顔を見ると、自然と副社長の顔も視界に入る。
翔太君と話している副社長は仕事の時には見せない様な柔らかい顔をしていた。
『しょうがないよ!!美咲ちゃんは記――』
「翔太君はこんなところで何してたの?」
恐らく私が記憶喪失であろう事を言おうとした翔太君の言葉を遮った。
自分の秘書が記憶喪失で自分の事すら忘れてる何て――そんな事知ったらきっと私の事を不振に思う。
やっと少し距離が縮まったと思ったのに、そんな事でまた距離ができるなんて嫌――。
『俺はこいつの散歩中』
訴えかけるように翔太君の顔を見ていたからか、翔太君は私の話しにのってくれた。
『ポチって言うんだ。可愛いだろ?』
副社長を気にしながらも窓の外にはリードに繋がれた毛玉の小動物がちょこんと座っていた。
確かにポチやタマっていう名前は一般的って言うほど一般的かもしれないけど、今の時代そんな名前を付ける飼い主はほぼいないだろう。
「可愛いけど――翔太君って変わってるね」
『アハハ、朝陽と家に遊びに来た時も同じような事言われた』
窓から離れ、少し離れた位置から翔太君の顔を見ると、自然と副社長の顔も視界に入る。
翔太君と話している副社長は仕事の時には見せない様な柔らかい顔をしていた。