愛を餌に罪は育つ
今日は仕事が定時に終わり、帰りにスーパーに寄って帰宅すると珍しく玄関に朝陽の靴が置かれていた。


今日仕事じゃなかったのかな?


リビングのドアを潜るとテレビを見ながら笑っている朝陽がいた。


本当テレビっ子。



「ただいま」

『お帰り、早かったね』

「うん、今日は定時で終わったから。だから今日はご飯作るね」



スーパーの袋を朝陽に見せ、一先ず買ってきたものをしまおうとキッチンへ向かった。


冷蔵庫の中に食品をしまっていると、突然お腹に腕が回され背中に温もりを感じた。



「あーさーひー、動きづらいよ」

『我慢できなくて』



他に気になる人がいるのに違う男にこんな事をされても別に嫌な気分はしない。


私が最低な女なのか、女がそういう生き物なのかはよく分からない。



「しまったらすぐ行くから座って待ってて」

『本当にすぐ?』

「すぐすぐー」



私の言葉に口を尖らせトボトボとソファーへ歩いていった朝陽を見て笑ってしまった。






< 141 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop