愛を餌に罪は育つ
副社長とキス――いや、抱きしめられただけで嬉しさと恥ずかしさのあまり倒れてしまいそうだ。


体を支えてもらった時にこの想いを抱いていたら、感情が暴走していたかもしれない。


これ以上気持ちが膨れ上がってしまったら、仕事が手につかなくなりそう。



「翔太君がまたみんなで飲もうよって言ってたよ」

「うんうんっまたみんなで飲もうっ!!今度は美咲も朝まで付き合ってもらうからね」

「朝まで!?」

「楽しくて時間なんてあっという間だよ」



また翔太君から色々話を聞きたいし、まぁいっか。


翔太君もその方が嬉しいだろうしね。



「いつが空いてる?」

「んー――――」



携帯で予定を確認しているのか、携帯の画面とにらめっこしている梓。


その仕草はとても可愛くて気付けば笑みが零れていた。



「再来週の金曜日の夜は空いてるよ」

「分かった。翔太君に連絡して予定聞いてみるね」



携帯を閉じ、またプリンを食べ始めた梓を見ていて一つ疑問が浮かんだ。


そういえば梓から男の人の話を聞かないけど、彼氏とかっているのかな。


もしいるなら、翔太君との仲を取り持とうとするのはきっといい迷惑だよね。






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