愛を餌に罪は育つ
「私は四人家族だったんですか!?それは本当にッッ家族だったんですか!?」
『大野さんはご両親とお兄さんの四人家族です。残念ながら確認もとれとるんですよ』
「全部焼けてしまったのに本当に確認が取れてるんですか!?それはッかく、じつ…なんですかッッ!?」
自分の記憶がなくなったと聞いても別に悲しくもなんともなかった。
今だって家族の事も何一つ覚えていないのに、誰の顔も浮かばないのに、心に空いた穴をえぐられる様な感覚に襲われて涙が溢れた。
『全員歯の治療痕が一致したんですよ』
「そ、んな――何で、そんな――――」
『火事の原因は放火だと我々は考えとるんですよ』
「放火――?」
どうして私だけ逃げられたの?
どうして私は一人で逃げてしまったの――?
「キッチンの窓ガラスが外側から割れていました。ビンのような物が転がっていましたので、恐らく火炎瓶のようなものを投げ込まれたかと思います」
『大野さんはご両親とお兄さんの四人家族です。残念ながら確認もとれとるんですよ』
「全部焼けてしまったのに本当に確認が取れてるんですか!?それはッかく、じつ…なんですかッッ!?」
自分の記憶がなくなったと聞いても別に悲しくもなんともなかった。
今だって家族の事も何一つ覚えていないのに、誰の顔も浮かばないのに、心に空いた穴をえぐられる様な感覚に襲われて涙が溢れた。
『全員歯の治療痕が一致したんですよ』
「そ、んな――何で、そんな――――」
『火事の原因は放火だと我々は考えとるんですよ』
「放火――?」
どうして私だけ逃げられたの?
どうして私は一人で逃げてしまったの――?
「キッチンの窓ガラスが外側から割れていました。ビンのような物が転がっていましたので、恐らく火炎瓶のようなものを投げ込まれたかと思います」