愛を餌に罪は育つ
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役所に行った日はせっかく午後半休を取ったのに、役所で貰った書類を持ってパスポートを作りに行く気にはなれず、私はホテルに帰った。


まだ綺麗に頭の中を整理できないでいる。



「大丈夫?」

「えっ?」

「最近よくボーっとしてる。何か悩み事?」

「んー自分でもよく分かんない」

「そっか、私でよかったらいつでも話し聴くからね」

「ありがと」



今は梓と二人で翔太君が来るのを待っている。


翔太君が予約してくれていたお店に私たちは先に入っている。


私たちの会社の近くのお店だから気を利かせてくれたのか、人目のつきにくいテーブル席を予約してくれたみたいだ。



「宮沢さんの友達ってどんな人だろうね」

「翔太君の友達だから良い人そうだよね」

「そうだね」



翔太君の友達が来たらなんだか合コンみたいな雰囲気になりそう。


というか、合コン――になるのかな?


でも秋さんと付き合う前から決まってたことだし、こんなことで秋さんも怒ったりするような人じゃないよね?






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