愛を餌に罪は育つ
振り返るとそこには笑顔の翔太君と――涼しい顔をした秋さんが立っていた。
「副社長――」
梓が小さくそう呟き、その声は少し困惑しているようにも聞こえた。
無理もないよね。
まさか友達との飲みで会社の副社長がくるなんて考えられないよね。
『遅くなってごめんね』
「いえ――」
翔太君は笑顔のまま梓の前に座り、秋さんは私の目の前に腰を下ろした。
秋さんからは何も聞いてない。
私も言ってないからおあいこかもしれないけど、秋さんは私がいる事知ってたよね、絶対。
『二人とも固まっちゃってどうしたの?』
「宮沢さん――固まってるというか緊張してるんです」
『緊張?』
「宮沢さんが副社長とお知り合いだという事は美咲から聞いてたんですけど、こういう場で副社長とご一緒するとは思ってなかったので」
翔太君は頭をかきながら苦笑いを浮かべると、気まずそうに話し始めた。
『そうだよね、ごめん。でも友達連れて行くって言ったはいいけど、そんな事したら朝陽に悪いなって後から思ってさ。秋さんなら美咲ちゃんも知ってるし問題ないかなって思って』
「副社長――」
梓が小さくそう呟き、その声は少し困惑しているようにも聞こえた。
無理もないよね。
まさか友達との飲みで会社の副社長がくるなんて考えられないよね。
『遅くなってごめんね』
「いえ――」
翔太君は笑顔のまま梓の前に座り、秋さんは私の目の前に腰を下ろした。
秋さんからは何も聞いてない。
私も言ってないからおあいこかもしれないけど、秋さんは私がいる事知ってたよね、絶対。
『二人とも固まっちゃってどうしたの?』
「宮沢さん――固まってるというか緊張してるんです」
『緊張?』
「宮沢さんが副社長とお知り合いだという事は美咲から聞いてたんですけど、こういう場で副社長とご一緒するとは思ってなかったので」
翔太君は頭をかきながら苦笑いを浮かべると、気まずそうに話し始めた。
『そうだよね、ごめん。でも友達連れて行くって言ったはいいけど、そんな事したら朝陽に悪いなって後から思ってさ。秋さんなら美咲ちゃんも知ってるし問題ないかなって思って』