愛を餌に罪は育つ
翔太君の立場で考えればそうなるよね。


深く考えずに友達連れてくるって言っちゃったんだろうな。


今の私的には男友達を連れてこられるよりも朝陽の名前を出されるほうが気まずいよ。


秋さんの顔をチラ見すると目が合ってしまい、直ぐに逸らしてしまった。



「総務課の森川と申します」

『もうプライベートな時間だ。そうかしこまらなくていい』



秋さんはそう言っているけど梓の表情は相変わらず硬いままだ。


お酒が入れば少しは柔らかくなるかな?



「とにかく乾杯しましょう?」

『そうだね』



私たちはそれぞれ好きなお酒を注文した。


そういえば秋さんが飲んでるところって見たことないな。


お酒強いのかな?


それよりも、翔太君の様子を見る限り秋さんは私と付き合ってる事話してないんだろうな。


私もさっき言おうとしてタイミング逃しちゃったし――。


会社の人にはばれないように気をつけようという話になったけど、梓には話してもいいと言ってくれた。


仲の良い友達にまで隠す必要はないと。







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